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[本]アイの物語  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]アイの物語

アイの物語 (角川文庫)

山本弘のSFオムニバス。オムニバスと言っても全体に大きなストーリーの流れがあり、それぞれが作中作の扱いになっています。物語は全部で七つ、どれも良く出来ています。

人口が減少し、マシンが強者となった未来が大きなストーリーの舞台です。医療物資や食料などを運ぶ列車を襲って生き延びる人類。しかしなぜマシンが医療物資や食料を輸送する必要があるのか。「語り部」の役割を持つ主人公「僕」の前に現れたアンドロイド「アイビス」は、ヒトを圧倒するスピードとパワーで主人公を連れ去り、病院のベットの傍らで物語を語り始める。それは本当の歴史なのか、それともただの作り話なのか。

裏テーマがあるため、それぞれの話に入りやすいと思います。大きな謎解きを経験している感覚で次々とページを繰りたくなります。推理小説を読んでいる人の話を読んでいる感じ。

すべての物語を語った後にアイビスが見せる未来は興味深いものです。読み始めと読み終わった後とで、マシンに対する印象がずいぶん違うはずです。

同著者特有のややクドい言い回しが見られますが、奇妙な固有名詞はそれほど重要ではありませんので、そいういう部分は流し読みで良いでしょう。重要なものはちゃんと繰り返し登場するので自然に覚えられます。

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[本]無人島に生きる十六人  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]無人島に生きる十六人

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

須川邦彦の実話小説。

明治31年の暮れ、漁業調査のために日本を出航した「龍睡丸」が太平洋上で座礁した。なんとか無人島にたどり着いた男ばかり16人の船員たちは、その最悪の状況を創意工夫と規律で乗り越える。飲料水や火を確保し、食料の海亀や魚を採り、近くの別の島から燃料となる流木を集め、難破船の残骸からはぎ取った銅板に救助を乞う内容を彫り海に流す。16人が日本に帰れる日は来るのか。

実話です。著者の須川邦彦は、龍睡丸の船長である中川倉吉の教え子です。

16人の無人島生活は常に前向きで終始あっけらかんとしています。無人島生活を充実したものにしようとした努力がいきいきと書かれており、登場人物を身近に感じられます。知恵や工夫や技術で生き延びていく様もうまく書かれています。これが100年以上前の話とは思えません。

男ばかり16人が何ヶ月も無人島で生活していたとなると、現実にはシモの話も当然あったはずですし、船員たちの間に多少なりとも反目はあったでしょうが、その辺りはまったく触れられていません。気持ちよく読める部分だけを抜き出した小説です。おかげで読後感も気持ちいい。

子供を対象に書かれているのか平仮名が多く、多少読みにくさを感じます。なお、私は本を購入しましたが、青空文庫で全文無料で読めます

[本]IT  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]IT

IT〈1〉 (文春文庫)
IT〈2〉 (文春文庫)
IT〈3〉 (文春文庫)
IT〈4〉 (文春文庫)

スティーブン・キングの長編ホラー。全4巻。多作で映画の原作も多い同著者の作品の中でも、非常に評価の高い小説です。

27年前、アメリカの田舎町デリーに現れた正体不明の怪物「IT」。子供ながらにそれを倒した6人の仲間たちは、27年後に再び現れたそれに引かれるように帰郷し、再び立ち向かうことを決意する。本人がもっとも恐れているものを見せるIT。今回、大人になった6人は完全な勝利を得ることができるか。

読みやすいかと言えば、非常に読みにくいです。なんだろうな。村上春樹のような感じはあるものの、舞台がアメリカだからなのかピンとこない言い回しが多いんですよね。特に固有名詞が問題で、それが本当に「どうでもいい」かどうかが読み進まないと分からない。だから頻繁に詰まる。どうでもいいと思って軽く読んでいたら後になって登場してきて、読み返したら似ているけど別の固有名詞だったり。

私の感覚では、ホラーというより「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせる冒険小説という印象です。日本人だとそう感じるのかもしれません。「恐さ」を求めるならこれ以上の国産小説は沢山あります。ちなみに「スタンド・バイ・ミー」の原作もスティーブン・キングです。

映像向きの小説ですね。映像化は大変そうですが。amazonではかなりの高評価ですけど、私としてはかなり読み手を選ぶ小説だと感じました。値段も790円×4巻で決して安くありません。少し立ち読みでもしてから決めましょう。


2010/06/16 追記。映像化されていないと思って書いたんですが、映画化されてたんですね。アルファルファモザイクで知りました。wikipediaのIT。「前半は回想がほとんどを占め、ホラー要素さえなければ『スタンド・バイ・ミー』のような青春ものである」なんて説明もありました。やっぱりそうですよね。

[本]そして二人だけになった  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]そして二人だけになった

そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)

森博嗣の長編ミステリー。面白かった。よく出来ています。

いわゆる密室殺人ものです。アガサ・クリスティーや赤川次郎を始めとしてこの手の小説はたくさん読んだので、最初の数十ページ読んだ時点でいくつか結末を想像しました。でも全部ハズレ。私の中では密室殺人ものに新しいパターンが増えました。

作中の地理的な固有名詞がアルファベットで伏せられているものの、実在する地名を表わしていることがすぐに分かります。それ自体はストーリーに関係ないのですが、理解しやすくするためのうまい工夫です。

最後、結局なにが真実なのか。読み手の受け取り方で変わってきます。ミステリー小説としてはかなり珍しい終盤です。森博嗣の本は初めてでしたが、別のも読みたくなりました。amazonでもほとんどが星4つ以上の高評価です。

[本]本所深川ふしぎ草紙  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]本所深川ふしぎ草紙

本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

宮部みゆきの時代物推理小説。江戸時代の下町を舞台にした短編7話が収録されています。

基本的には推理小説なのですが、派手な展開はありません。人間性に重点が置かれています。切ない読後感になる話が多い。7話ともかなりよく出来ています。

歴史考証として正しいかどうかは分かりませんが、江戸時代の風習も興味深く読めます。

諸手を挙げて推薦するような小説ではないですが、空き時間に気軽に読むのに向いていますね。一度に全話読むより、1話ずつ読んだ方がお得だと思います。

[本]ハイペリオン  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]ハイペリオン

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ダン シモンズの長編SF。

28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した!時を超越する殺戮者シュライクを封じこめた謎の遺跡―古来より辺境の惑星ハイペリオンに存在し、人々の畏怖と信仰を集める“時間の墓標”が開きはじめたというのだ。時を同じくして、宇宙の蛮族アウスターがハイペリオンへ大挙侵攻を開始。連邦は敵よりも早く“時間の墓標”の謎を解明すべく、七人の男女をハイペリオンへと送りだしたが…。ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞受賞作。

惑星ハイペリオンに向かう旅の途中で、7人がそれぞれの自分の過去を語る形で話が進みます。なかなか全容が明らかにならないのですが、それでも間延びせず最後まで楽しめます。逆に言えば最初は多少我慢が必要です。数ページで引き込まれるタイプの小説ではありません。

で、結局最後、妙な終わり方です。やっと登場人物の背景が見えてきて「これから」というタイミングで終了します。こういう謎を残した終わり方の小説も多いですが、これじゃあまりに奥ゆかし過ぎるだろと思ったら、やはり続編がありました。4部構成の全8冊。

やや話が入り組んでおり、SF初心者には難しいかもしれません。一冊が1,000円近くするのもハードルが高いかな。シリーズ全冊で7,000円超え。確実に面白いんですけどね。比較的メジャーなタイトルなので古本でも見つけられるかもしれません。

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