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[本]二次元の世界―平面の国の不思議な物語  このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - [本]二次元の世界―平面の国の不思議な物語

E・A・アボットによるSF。ずいぶん昔に読んだ本です。原著は1884年に書かれていますので、実に120年以上前。男尊女卑な世界観や生まれつきの階級制度などに19世紀の匂いがします。今こんな内容で小説を発表したら叩かれるでしょうが、そんなことは無視してすばらしい出来栄えです。

われわれの世界を、「二次元世界」と呼ぶことにしよう。われわれがそう呼んでいるということもあるが、またその方が、三次元空間に住んでおられる読者に、ここの本質がいっそう明確になると思うからである。

こんな書き出しから始まるこの小説の主人公は、二次元の世界に住む正方形です。主人公の住む世界では、家は通常五角形で、三角形の家は角が危険なため法律で禁止されています。男女の区別もあり、女性は直線です。男性は一般に二等辺三角形ですが、中流階級では正三角形となり、専門家や上流階級では正方形か五角形、貴族階級では六角形から円まで多彩です。直線である女性にぶつかると大事故になってしまうため、女性が公共の場所を歩く時には絶えず声を発していることなどが義務付けられています。

前半はこのような二次元の世界の法則や法律について、主人公による詳細な説明が続きます。そして後半、主人公の正方形が別の次元の住人と出会います。

まず最初に、彼は夢の中で一次元の世界の王に出会います。主人公は一次元の王に二次元の世界を教えようとしますが、王はそれを理解できず、最後には怒り出し、主人公を威嚇します。

次に、主人公の元に三次元世界からの訪問者、「球」が現れます。球は主人公に三次元の世界を教えようとしますが、主人公はそれを理解できません。一次元世界の王がそうであったように、自分の世界より高い次元の存在を理解するのは不可能なのか。しかしそこで「球」が思い切った行動をとり、主人公はついに三次元の世界を垣間見ることができたのです。

と、ここまで結構ネタバレしているように思えるかもしれませんが、実際に読むと、この程度ではこの小説の面白さをまったく表現し切れていないことが分かるはずです。

舞台設定が緻密で、本編180ページ弱の約半分が二次元世界の設定に費やされています。それが非常によくできた設定で疑問点をうまく解消していますので、本質に集中できます。ややこしい数式も出てきません。中学生や高校生でも十分に理解できる内容です。

数学嫌いを解消してくれるような本ではありませんが、SF嫌いなら解消してくれるかもしれません。値段もお手ごろです。

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