[本]海底二万里
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ジュール・ヴェルヌが19世紀に書いた長編SF。SFという言葉からは宇宙や量子論や人工知能といった印象を受けがちですが、「空想科学」といった場合、それとは違うもっと純粋な何かを感じます。この本には「空想科学」が似合います。
相次ぐ海難事故の原因が正体不明の怪物の仕業であることが分かります。鯨よりも大きく、硬い銛を通さない皮膚を持ち、船底を鋭く突き破る骨格を持ち、時に暗闇の中で妖しく光るその怪物の正体は、ネモ船長が指揮をとる潜水艦ノーチラス号。怪物を仕留めるために行動していた学者のアロナックス博士とその召使のコンセイユ、そして銛打ちの名人ネッドは、はからずも捕われの身となります。そこから三人と謎の乗組員たちとの海底旅行が始まります。
ジュブナイルとして扱われることもあるようですが、海底の景色や深海生物、真に迫る危機的状況の描写など、非常に緻密に書かれおり十分に楽しめました。ストーリー展開にも無理を感じさせません。巻頭にジュール・ヴェルヌの手による世界地図が載せられており、そこにノーチラス号の進んだ進路が書かれています。読みながらときどきそれを見て現在位置を確認するという楽しみもありました。
量子力学や多次元宇宙などの複雑なSFに食傷気味な人におすすめです。
- [2008/06/08 20:44]
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